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JIS G 3303(1987)ぶりき及びぶりき原板(抜粋)


J I S (1959、69、75、84)
J I S (1952) 制定



(1) 適用範囲
この規格は、呼び厚さ0.15mmから0.60mmの低炭素鋼一回圧延のぶりき及び
ぶりき原板(以下、原板という。)並びに呼び厚さ0.14mmから0.36mmまでの
低炭素鋼二回厚延のぶりき原板について規定する。

備 考
1. 低炭素鋼一回圧延のぶりき及びぶりき原板とは、
一回圧延した低炭素鋼にすずめっき処理を施したぶりきと
すずめっき処理を施さない原板をいう。
2. 低炭素鋼二回圧延のぶりき原板とは、焼なまし後第二回目の
冷間圧延をした低炭素鋼にすずめっき処理を施したぶりき及び
すずめっき処理を施さない原板をいう。
3. ぶりきには、電気すずめっき処理をした電気めっきぶりきと
溶融すずめっき処理をした熱せきめっきぶりきがある。
4. ぶりきには、板状のものとコイル状のものがあり、
板状のものを板(シート)といい、コイル状のものをコイルという。
原板には板状のものとコイル状のものがあり、
板状のものを原板シートといい、コイル状のものを原板コイルという。



(2) 種類及び記号
ぶりき及び原板の種類及び記号は、次による。
2.1 記号
ぶりき及び原板の記号は、表1による。

表1 ぶりき及び原板の記号
種類 記号
原板 SPB
電気めっきぶりき SPTE
熱せきぶりき SPTH

2.2 すず付着量による区分
電気めっきぶりきは、両面のすず付着量が同一であるもの(以下、等厚めっきという。)
と両面のすず付着量が異なるもの(以下、差厚めっきという。)とに区分し、
それぞれ更にすず付着量によって3.のように区分する。
熱せきぶりきは、原板シートに溶融すずめっきを施した板であり、
すず付着量によって3.のように区分する。
2.3 鋼種による区分
ぶりき及び原板は、鋼種によって11.1のように区分する。
2.4 調質度による区分
ぶりき及び原板は、調質度によって、4.のように区分する。
2.5 表面仕上げによる区分
ぶりき及び原板は、表面仕上げによって5.のように区分する。



(3) すず付着量
3.1 すず付着量
各種ぶりきの呼び付着量と最小平均付着量は、表2による。
ただし、表2以外のすず付着量をもつぶりきについては、受渡当事者間の協定による。
3.2 すず付着量表示方法
ぶりきのすず付着量表示は、表2のように表す。
差厚めっきの付着量表示は、表2に示すように、
積み重ねた板の上面又は巻き取ったコイルの外面の付着量を始めに書き
その後に板の下面又は、コイルの内面の付着量を書く。
3.3 両面のすず付着量が異なることを表す製品マーク
差厚めっきの場合、薄めっき面又は厚めっき面のどちら
かにマークを付けるときは、マークされる面及びマーク方法については、
受渡し当事者間の協定によるものとし、注文契約の中で明示しなければならない。
マークは、通常表3による。

表2 すず付着量
種類の記号 区分 付着量
表示記号
呼び付着量
(g/m2)
最小平均付着量
(g/m2)
旧付着量表示記号
(参考)
SPTE 等厚めっき
2.8/
5.6/
8.4/
11.2/
2.8
5.6
8.4
11.2
2.8/
5.6/
8.4/
11.2/
2.8
5.6
8.4
11.2
4.9
10.5
15.7
20.2



25
50
75
100
差厚めっき
5.6/
8.4/
8.4/
11.2/
11.2/
11.2/
2.8
2.8
5.6
2.8
5.6
8.4
5.6/
8.4/
8.4/
11.2/
11.2/
11.2/
2.8
2.8
5.6
2.8
5.6
8.4
5.0
7.8
7.8
10.1
10.1
10.1
5/
5/
5/
/
/
/
2.25
2.25
5.05
2.25
5.05
7.85






50/25
75/25
75/50
100/25
100/50
100/75
SPTH 等厚めっき
12.3/
14.0/
15.1/
16.8/
12.3
14.0
15.1
16.8
12.3/
14.0/
15.1/
16.8/
12.3
14.0
15.1
16.8
19.0
22.4
23.5
26.7



110
125
135
150
備 考
1. 付着量は、1m2の片面のすず付着量を表す。
ただし、等厚めっきの最小平均付着量は、両面の付着量を表す。
2. 最小平均付着量は、13.1で求めた3個の測定値の算術平均の値である。
3. 旧付着量表示記号は参考の為に示したもので、なるべく使用しないことが望ましい。
例: 2.8 /11.2
積み重ねた板の下面又はコイルの内面の付着量
─── 積み重ねた板の上面又はコイルの外面の付着量

表3 差厚めっき表示方法
記号 マークの方法 表示例
D 薄めっき面のどちらか一方のトリム側端部に幅約2mm以下の連続線で表す。 5.6/2.8D
A 薄めっき側にマークする場合、薄めっき面に幅約1mmの線で描いた幾何学模様で表す。 5.6A/11.2
厚めっき側にマークする場合、幅約1mmの連続並行線で表す。 5.6/11.2A



(4) 調質度
4.1 一回圧延製品
一回冷間延のぶりき及び原板の調質度は、
ロックウェルT硬さ(HR30T)の値をもって表す。
製造業者の目標値を表4に示す。
ただし、表4以外の調質度については、受渡し当事者間の協定による。

表4 一回圧延製品の調質度
記号 目標 ロックウェルT硬さ
HR30T
T-1
T-2
T-2.5
T-3
T-4
T-5
T-6
49±3
53±3
55±3
57±3
61±3
65±3
70±3
備考 1. 一回冷間圧延のぶりき及び原板の調質度は、
本来単一の機械的特性だけによって
表すことはできないが、
最も有用な機械的特性の指標として
ロックウェルT硬さを採用する。
2. 焼なまし法には、箱焼なまし法と
連続焼なまし法があるが、
両者のHR30T値が等しい場合でも
硬さ以外の機械的特性は、
必ずしも同一ではない。
したがって注文者はどちらの
焼なまし法にするかを、
製造業者と協定することができる。
連続焼なまし法を協定した場合、
表4の調質度記号の後に
記号CAを追加する(例:T−4CA)。
3. 表4において原板の調質度は、
特に注文者の指定がない限り、
すずめっき処理及びすずめっき処理されるまでの
保管条件による時効硬化を考慮して、
表記の値より低くしてもよい。

4.2 二回圧延製品
二回冷間圧延のぶりき及び原板の調質度は、ロックウェルT硬さをもって表す。
製造業者の目標値を表5-1又は表5-2に示す。

表5-2 二回圧延製品の調質度(平成3年1月1日から適用)
記号 目標
ロックウェルT
硬さHR30T
目標耐力(参考)
圧延方向N/mm2
DR-8
DR-9
DR-9M
DR-10
73
76
77
80
550
620
660
690
備考 1. 二回冷間圧延のぶりき及び原板の加工性能は、
それに影響するすべての要素を
的確に表すことはできないが、
有用な機械的特性の指標として、
ロックウェルT硬さを採用する。
2. 耐力は、必要に応じて測定する参考値で、
附属書2のスプリングバック試験から
求めた換算耐力である。
3. 焼なまし法には、箱焼なまし法と
連続焼なまし法があるが、
両者のHR30T値が
等しい場合でも硬さ以外の機械的特性は
必ずしも同一ではない。
したがって注文者は
どちらの焼なまし法にするかを
製造業者と協定することができる。



(5) 表面仕上げ
5.1 電気めっきぶりき
電気めっきぶりきの表面仕上げは、
めっき後の仕上げ方法により電気めっき後すずの溶融操作を行って
得られる光沢仕上げのものと、すずの溶融操作を行わないつや消し仕上げのものとがあり、
更に原板の表面仕上げにより表6のように区分する。

表6 電気めっきぶりき表面仕上げ区分
製品 記号 区分 特徴
一回圧延製品 B ブライト仕上げ 目の細かいと(砥)石目のある滑らかに仕上げた
原板にすずの溶融操作を行って得られる光沢のあるもの。
R 粗面仕上げ 一定方向のと石目がみられることを特徴とする
原板にすずの溶融操作を行って得られる光沢のあるもの。
S シルバー仕上げ 粗いダル状表面をもつ原板にすずの溶融操作を
行って得られる光沢のあるもの。
M マット仕上げ 通常ダル状表面をもつ原板にすずの溶融操作を
行わないつや消しのもの。
二回圧延製品 R 粗面仕上げ 一定方向のと石目が見られることを特徴とする
原板にすずの溶融操作を行って得られる光沢のあるもの。

5.2 原板
原板の表面仕上げは、表7のように区分する。

表7 原板の表面仕上げ区分
製品 記号 区分 特徴
一回圧延製品 B ブライト仕上げ 目の細かいと石目のある滑らかな表面仕上げ
R 粗面仕上げ 一定方向のと石目が見られる表面仕上げ
M マット仕上げ ダル状表面仕上げ。
二回圧延製品 R 粗面仕上げ 一定方向のと石目が見られる表面仕上げ



(6) 化学処理
電気めっきぶりきは、めっき後化学的又は電気化学的処理を施す。



(7) 表面塗油
電気めっきぶりきは、めっき表面に塗油する。
備考 塗油する油種は、CSO,DOS又はDOS−Aなどである。



表9 質量計算方法


計算順序 計算方法 結果のけた数
板及び
原板シート
基本質量 (kg/mm,m2)
7.85(厚さ1mm,面積1m2) -
単位質量 (kg/m2)
基本質量(kg/mm,m2)×厚さ(mm) 有効数字4けたに丸める。
1枚の面積 (m2)
幅(mm)×長さ(mm)×10-6 有効数字4けたに丸める。
1枚の質量 (g)
単位質量(kg/m2)×1枚の
面積(m2)×103
gの整数値に丸める。
1包装の質量 (kg)
1枚の質量(g)×1包装内の枚数×10-3 kgの整数値に丸める。
総質量 (kg)
各包装の質量(kg)の総和 kgの整数値
コイル及び
原板コイル
単位質量 (kg/m)
板及び原板のシートの
単位質量(kg/m2)×幅(mm)×10-3
有効数字三けたに丸める。
1本の質量 (kg)
単位質量(kg/m)×長さ(m) kgの整数値に丸める。
総質量 (kg)
各コイル及び各原板コイルの
質量(kg)の総和
kgの整数値
備考 数値の丸め方は、JIS Z 8401(数値の丸め方)による。



表11 原版の代表的鋼種

鋼種 備考
MR 残留微量成分が少ないもので、優れた耐食性をもち、容器その他広く一般的用途に用いる。
L Cu,Ni,Cr,Moその他の残留微量成分が特に少ないもので、
極めて優れた耐食性をもつ容器材料として用いる。
D A1キルド鋼であって、深絞り加工やリューダース模様の
発生しやすい加工を受ける用途に用いる。